「夜」と聞くとどんな風景を思い浮かべるだろうか。
当然のように毎日夜がきて、外が暗くなる。
都市に住んでいる場合は暗くなると、等間隔に配置された電灯が自動でライトアップされる。
暗さは残っていても、夜はいくらか明るい。
そんな夜について話をまとめたい。
参考にした書籍はこちら
夜の暗さ
夜に暗さの違いはあるのだろうか、と思われただろうか。
夜にも暗さが9段階存在している。
これは、アマチュア天文家のジョン・ボートルが夜の暗さを段階分けしたものである。
その表が以下になる。
| クラス | 名称 | 夜空の明るさ・特徴 |
|---|---|---|
| 1 | 完全に暗い夜空(Excellent Dark-Sky Site) | 人工光が一切なく、天の川の構造や黄道光がはっきり見える。星雲や銀河の細部が肉眼で見える。 |
| 2 | 典型的な暗い夜空(Typical Truly Dark Site) | 天の川が非常に明瞭。星雲・星団の視認も容易。わずかに人工光の影響を感じる程度。 |
| 3 | 田舎の夜空(Rural Sky) | 天の川はまだ明るく見えるが、低空に光害のドームがわずかに見える。肉眼で多くの天体を確認可能。 |
| 4 | 郊外の移行的夜空(Rural/Suburban Transition) | 天の川が弱まり、淡い天体は観察困難。低空には明らかな光害。空が少し明るく感じられる。 |
| 5 | 郊外の夜空(Suburban Sky) | 天の川はかすかに見える程度。都市光害の影響で銀河や星雲は双眼鏡が必要。空全体が少し明るい。 |
| 6 | 明るい郊外の夜空(Bright Suburban Sky) | 天の川はほぼ見えない。肉眼で見える星の数も少ない。空が白っぽく、低空は強い光害。 |
| 7 | 郊外/都市の移行夜空(Suburban/Urban Transition) | 天の川は全く見えない。明るい星と惑星のみ肉眼で確認可能。空は灰色~オレンジ色。 |
| 8 | 都市の夜空(City Sky) | 星は数十個程度しか見えない。天文観察はほぼ困難。空はオレンジ色やピンク色に明るい。 |
| 9 | 都心の夜空(Inner-City Sky) | 最も明るい星や惑星以外は肉眼で見えない。空は完全に明るく、天文観測は不可能。 |
夜の暗さだけでこんなにたくさん種類があると思わず、驚いた。
様々な場所を飛び回って確認したに違いない。
9つのクラスがあるが、実際に確認できるのは、クラス5かクラス4の地域だそうだ。
私が住んでいる場所もクラス5かクラス4が確認できる限界だとわかった。
田舎や、人口が少ない地域ではクラス4以上の夜空が期待できるかもしれない。
日本は湖や山などの自然があるので、その周辺では素晴らしい夜を堪能することができる。
以前湖の近くに泊まったことがあるが、夜の露天風呂は、見渡す限り見事な暗さで空気も美味だった。
夜が明るくなったことで生じる問題
それでは、夜が明るいと生じる問題に焦点を当ててみよう。
夜の光が過剰になることで考えられる問題は以下の通り。
- ヒトの夜型化
- 環境や生態への影響
- 天体観測ができなくなる
ヒトの夜型化
ヒトは昔、日が昇る頃に活動して、日が沈むと寝床へ向かう生活をした。
それが電灯、蛍光灯、LEDライトと発展して、光を照らすことが容易くなった。
また、電子媒体から発せられるブルーライトが日常になり、普段から青白いライトを浴びるヒトが増えた。
私もその一人である。
するとどうなるか。
ヒトはそれらの光を受けて、日中と同じ明るさで生活が可能になった。
いつまでも明るさが変わらない中で過ごすと、過剰に光を浴びた者は睡眠が難しくなる。
日中と同じと体が受け取り、交感神経が優位になって神経が乱れていく。
また、夜勤で働くのが長期化すると不調を覚えやすいと言われている。
その典型的なものは、食事時間が遅くなることによる体重増加だ。
体重増加から健康に与える影響は数知れない。
それ以外にも、胃腸や妊娠率の低下を招くなどがある。
◯資料
PDF SQM による光害調査 –日本を飛び出して–
https://www.asj.or.jp/jsession/old/2013haru/75_jsession2013.pdf
人工光夜間照明 (ALAN) の空間・時間分布、トレンド、生態・文化・健康への影響の総合レビュー
人間・動物双方への健康影響、代謝・繁殖・精神衛生などを議論
環境や生態への影響
上で過剰な光を浴びることで起きる健康被害を挙げたが、それは他の生態でも同じである。
昆虫や鳥、ヒト以外の哺乳類にも変化が認められた。
https://www.ieij.or.jp/publish/files/IEIJ_JIER-106.pdf
光がシグナルになることで、誘き寄せられたり、方角を誤るケースがあると言う。
光ひとつで行動が制限される例に、あまり良く無いが、太陽をそのまま見つめたときに視界がぼやけて見えたことがある。
目が眩み視界が一時的に何も見えなくなることから、平衡感覚を失った幼児時代の私がいた。
絶対に真似しないでください。最悪の場合は失明します。
環境問題では、過剰な照明による電力消費が増えることで、CO₂も増えていく。
夜空が明るいと、夜景を楽しむのが難しくなり、景観にも影響を与える。
天体観測ができなくなる
天体観測が趣味だというのもあるかもしれない。
その場合、肉眼ではもちろん確認しづらいかできない状況になる。
明るい星が数個数えられたら良くなってしまう。
小型の望遠鏡でも見るのが難しいだろう。
光を浴び過ぎないようにするには?
最近は仕事などでPCを使用することが増えている。
仕事以外の電子媒体の使用時間を減らすのが良いだろう。
そうは言っても、時間があればスマホを片手に長々と見つめてしまうものである。
どれくらい使うのか時間を決めて、あらかじめタイマーをセットしておくのが良さそうだ。
使用時間を減らすのが一番良いが、昔の電気の無い生活に戻るのは難しい。
夜遅くまで起きているのではなく、早めに寝て電気を消しておこう。
まとめ
科学技術が発展したことで、生活が便利になった。
照明も昔のような不便さは無くなり、いつどんな時間でも点灯可能だ。
それが起因となって、ヒトが夜型化したり、生活時間を変更するのも容易くなり、健康問題にも被害が出ている。
短期での影響は改善が可能だが、誘惑が多い現代では長期化して悪化してしまう。
環境面では、過剰な照明による電力消費が増えることで、CO₂も増える問題がある。
空が明るいと、夜景を楽しむ時間も奪われてしまう。
また、昆虫や鳥なども、光がシグナルとなって、寄せ集められたり、方向転換を誤ってしまうケースも認められている。
過剰な光を浴びる時間を減らすことで、健康リスクを減らして快適に生活できるようにしたい。


コメント